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好奇心

久しぶりに帰ってきた北条の家は酷い有様だった。
あの時から掃除をしていなかったので沙都子が居た時と全く変わっていない。
それどころかこの一年の間に埃等が積もっていた為あの時よりも汚くなっていた。

沙都子はこの家に帰ってきたがこれといって用事があるわけではない。
ここに来た理由はは“ここに来なくてはならない”という漠然としたモノだった為、
特別、何かをするという目的で来た訳ではなかったのだ。
しかし、せっかく来たのに何もしないで帰るというのもおかしな話である。
あまりここに長くは居たくは無いが
兄、悟史が帰ってきた時にこの家の惨状を見たらどう思うだろうか。
沙都子は帰ってくる兄の為に掃除を、そして自分がここに来た理由を探し始めた。


家の中をあらかた掃除し終わった時には日が傾いて夕方になっていた。
途中、悟史の部屋をどうするか迷ったけれど
なるべく部屋の中を変えずに埃を拭き取るだけにした。
家の中の掃除がもうじき終わりつつあるが
沙都子は自分がここに来た理由を見つけられないでいた。


沙都子は掃除を終わらせるため、
自分の最後になった養父の書斎に入る。
この部屋を最後に回したのは沙都子自身が“父親”という存在に
無意識に関わる事を拒んでいたからである。

部屋の中は他の部屋同様に散乱していた。
何のためにやったのかは分からないが、恐らく叔母がやったのだろう。


部屋の掃除は滞りなく順調に進んでいた。
沙都子は足元に散らかっている本を片付けようと身を屈める。
身を屈め、手を伸ばした先には―――

『沙都子※※※の※※※※※らし※。 』

「私の・・・・・・名前?」

沙都子は床に散乱していた本のうちの一つに自身の名前を見つけた。
自分の名前が記されていることに気になり、
本を手に取ってみてみるとそれは日記のようだった。


―――私の最後の父親は何を思って日記をつけたのだろうか。


北条沙都子はその日記を読み始めた。
沙都子自身が警鐘を鳴らしてしているのにもかかわらずに。

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