無理はしないで

「けほっけほ!!・・・すみません詩音さん、梨花」
「まったく、具合が悪いんだったら最初から言ってください」
「沙都子は無理をしすぎるのです」
「・・・分かりましたわ」
「はい、分かってくれたのなら今度から気をつけてください」

「・・・沙都子、私たちに遠慮しないでつらい時は我慢しないで素直に言って下さい」

―――私は悟史君の代わりに沙都子を守るって決めたから―――

「・・・くすくす」
「何がおかしいんですの?梨花」
「詩ぃと沙都子が本当の姉妹に見えたからです。みぃ〜☆」
「・・・あははは!!梨花ちゃん、なかなか冗談が上手いですね〜」
「僕は本当のことを言っただけです」
「・・・・・・ねーねー」
「ん?何か言いましたか、沙都子」
「いっいいえ何でもありませんわ!!詩音さん!!」
「梨花ちゃんは何か聞こえましたか?」
「僕は何も聞いてないのです。みぃ〜☆」
「・・・ねーねー」

―――姉妹、何時からその言葉が耳障りになったのだろう。
多分それはあの時、私が詩音に確定した時からだろう―――

―――とぼけて聞こえなかったフリをしたが確かに聞こえた言葉―――

―――今、聞いた言葉は何故か嫌な響きがしなかった。
そう・・・何故だかは分からないけど確かに胸が暖かくなった。
今はそれが意味するものを考えるのをやめよう―――

―――ただ、今はこの心地よい温もりをかみ締めていよう―――

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